2012年5月27日日曜日

49年

「49年、私にとっては短かった。そう思っていた。
でも23日は一生懸命あの日のことを思い出そうと思ったけど思い出せなかった。
やっぱり49年って長いのかもしれない。」

昨日、取材中にポツンと石川さんがつぶやいた。

1963年5月23日は、狭山事件の石川一雄さんが逮捕され日。
いうまでもなく49年は長すぎる。
足利事件、布川事件など、冤罪事件の無罪判決。
次は狭山だと自身も思い、支援の勢いもましている。
しかしその一方でなかなか状況は前に動かない。

次回の三者協議は10月。
今年中の再審開始は現時点で難しいと判断せざるをえない。

「私の無実は決まっている。後はそれがいつ証明されるかだけ、
だから焦る必要はない。不屈の石川一雄ですから、大丈夫。」

笑顔が戻った後は獄中のなかの話を楽しく話してくれた。

死刑囚は独房で鳥を飼えるらしい。
なれた文鳥などは独房のなかの駕籠から出て死刑囚と遊ぶのだそうだ。

ちなみに石川さんは独房の外にやってくる雀にえさをあげるのが楽しみだったそうだ。

取材を終えて帰るとき石川さんはこういってくれた。
「いつも来てくれて申し訳ない、無罪になれば映画もヒットするからがんばります。」

こちらこそいつもおじゃまさせていただき感謝です。

おまけに早智子さんが徳島のわかめと狭山茶をお土産にくれた。